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シリーズ「経営者が語る創業イノベーション」インタビュー(第四回)

【ロート製薬株式会社】代表取締役会長 兼 CEO 山田 邦雄 氏
シリーズ「経営者が語る創業イノベーション」インタビュー(第四回)


【ロート製薬株式会社】代表取締役会長 兼 CEO 山田 邦雄 氏</br>  シリーズ「経営者が語る創業イノベーション」インタビュー(第四回)


創業者は、社会の課題解決のため、また、人々のより豊かな幸せを願って起業しました。

その後、今日までその企業が存続・発展しているとすれば、それは、不易流行を考え抜きながら、今日よく言われるイノベーションの実践の積み重ねがあったからこそ、と考えます。

昨今、社会構造は複雑化し、人々の価値観が変化するなか、20世紀型資本主義の在りようでは、今後、社会が持続的に発展することは困難であると多くの人が思い始めています。

企業が、今後の人々の幸せや豊かさのために何ができるか、を考える時、いまいちど創業の精神に立ち返ることで、進むべき指針が見えてくるのでは、と考えました。

社会課題にチャレンジしておられる企業経営者の方々に、創業の精神に立ち返りつつ、経営者としての生きざまと思想に触れながらお話を伺い、これからの社会における企業の使命と可能性について考える場にしていただければ幸いです。

 

(公益社団法人日本フィランソロピー協会理事長 高橋陽子)

 

【ロート製薬株式会社】代表取締役会長 兼 CEO 山田 邦雄 氏インタビュー
第1回 第2回 第3回 第4回

掲載日:2016/9/7

それぞれが主役、グループ企業の未来へ 

【ロート製薬株式会社】代表取締役会長 兼 CEO 山田 邦雄 氏</br>  シリーズ「経営者が語る創業イノベーション」インタビュー(第四回)

製薬を外したらどうかという意見もありました。

高橋:今後の抱負は?

山田氏:健康の分野で、チャンスがあったらなんでもやろうと。「食」へのチャレンジは、まだまだ未知の分野なのでハードルが高いと思うけれど、それなりの成果を、早く出せるといいなと思っています。
「再生医療」は治らなかった病気が治るなど、今までの医療の常識を超えるインパクトがあると思っています。この分野で一定の存在感、貢献ができればと思います。

高橋:まさに常識の枠を超えた挑戦ですね。

山田氏:一時は製薬を外したらどうか、という意見もあったんですが。

高橋:そうなんですか!医薬品メーカーが開発する化粧品とか食べ物というところに、価値があると思いますが。

山田氏:製薬企業がアイデンティティだし、逆に製薬であるところを、もう一回掘り起こしてみたいと考えているので、ルーツは大事にしていこうと思っています。

高橋:会社のルーツが大阪であることは、変わりませんか?

山田氏:出身は奈良ですけど、ビジネスのルーツは大阪です。

高橋:フィランソロピーとして考えても、東京は官主導ですが、大阪は民間。これからも大阪で民間の公益経済を主導していただけると嬉しいなと思います。

山田氏:どの仕事も全国区でやっていますが、関西にも、いい学校もたくさんあるので、関西を復権していくために、医療を旗印にしていきたいと考えています。ぼくらが関西で育てていただいた歴史も、それで生きてくると思います。

高橋:最後に、50年後のロートさんの姿は、どんな姿になっているのでしょうか?

山田氏:ひとつの大きな企業というよりも、いろんな国に連携する仲間がいて同じ目標に向けて一緒に仕事をする、というイメージですね。社員が一からその国に入り、文化、風土を理解し、地場に根づいたうえで、その国の人たちの健康に貢献している、という形を今も目指しています。 
「再生医療」が立ち上がってくると、舞台として「食」をやっているところとは別れざるを得ないと思うので、いくつかのグループがあり連携するという形かなと思っています。

高橋:仲間があちこちにいて、というのはいいですね。

山田氏:中央集権の大規模工場という「規模」の世界では、もはやないと思います。

高橋:その意味では21世紀型、あるいは22世紀型の会社の形ですね。

山田氏:地域共生の意味では、奈良の事業もあり、沖縄もあるし遠野のプロジェクトもあって、サテライトオフィスもあり、という分散型になっていくんじゃないかと思います。

高橋:世界各国にも拠点がありますし。

山田氏:アジアの国やアフリカで事業展開していますが、そのときに、外国の人たちに何を示すのか。資本の効率の話なのか、企業文化なのか。日本の企業は、長期的にみんなで生き残っていこうという、共存共栄の考え方を本能的に持っていると思うので、そういうものをアピールしないといけない。

それに、現地の人が自分たちの会社だと思ってやったほうが、絶対にうまくいく。日本人も要所にいるかもしれないけれど、トップにいる必要はない。それぞれの国の人が主役であることが大切です。そのためには、共通の理念がさらに大事になってくるんじゃないかと思います。

高橋:常識の枠を超えて挑戦しながら、持続可能な、企業と社会の新しいつながりを創ることにチャレンジなさっているお話には、わくわくしてきます。次の世代に何をバトンタッチしていくのか、わたしたち皆が責任を持ち、50年、100年先のことを考えなければならないと思いました。今日は、ありがとうございました。

プロフィール

【ロート製薬株式会社】代表取締役会長 兼 CEO 山田 邦雄 氏</br>  シリーズ「経営者が語る創業イノベーション」インタビュー(第四回)

山田 邦雄
(やまだ くにお)
ロート製薬株式会社 代表取締役会長 兼 CEO(最高経営責任者)
1956年大阪府生まれ。東京大学理学部卒業。慶應ビジネススクールMBA(経営学修士)を取得。
1980年ロート製薬に入社。1991年取締役就任。
1992年に専務、1996年に副社長、1999年に社長を経て、2009年6月から現職。

インタビュアー

【ロート製薬株式会社】代表取締役会長 兼 CEO 山田 邦雄 氏</br>  シリーズ「経営者が語る創業イノベーション」インタビュー(第四回)

高橋 陽子
(たかはし ようこ)
岡山県生まれ。1973年津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。高等学校英語講師を経て、上智大学カウンセリング研究所専門カウンセラー養成課程修了、専門カウンセラーの認定を受ける。その後、心理カウンセラーとして生徒・教師・父母のカウンセリングに従事する。1991年より社団法人日本フィランソロピー協会に入職。事務局長・常務理事を経て、2001年6月より理事長。主に、企業の社会貢献を中心としたCSRの推進に従事。NPOや行政との協働事業の提案や、各セクター間の橋渡しをおこない、「民間の果たす公益」の促進に寄与することを目指している。

主な編・著書
『フィランソロピー入門』(海南書房)(1997年)
『60歳からのいきいきボランティア入門』(日本加除出版)(1999年)
『社会貢献へようこそ』(求龍堂)(2005年)

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